ライター T.Saito
何か新しいことをはじめている人、何かを発信している人。そういった人の多くは、何かしら自分なりの「哲学」を持っているように思えます。「自分が大切にしたい哲学」を考え、見つけることは新しいことを始めるときの手がかりになるのではないでしょうか。「いわてつがく」は、そんな思いのもと、さまざまなフィールドで活躍する人たちの「哲学」を紐解いていく連載です。
川村 宗右 (かわむら そうすけ)
株式会社 川徳 取締役 営業本部副本部長(商品政策部 担当役員)
事業内容 百貨店
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プロフィール:盛岡市出身。中高は埼玉の学校へ進学。横浜薬科大学に入学後中退し、地元である岩手医科大学へ入学。卒業後薬剤師国家資格を取得し、神奈川・東京・岩手各地の薬局で薬剤師として勤務し、2020年6月に常勤取締役として川徳へ。現在、営業本部 副本部長 商品政策部の担当として奮闘中。
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ーお仕事の内容を教えてください。
私は盛岡にある百貨店 川徳に2020年の6月に非常勤から常勤取締役となりました。
百貨店と一言で言っても、実はたくさんの役割を持った部署があるのですが、私はその中でも営業本部の商品政策部の担当をしています。商品政策部では、「お客様にどのように楽しみ喜んでいただけるか?」という視点から、コンセプトを定め、取引先様とのやり取りや商品開発など、各種商談を進めていくことを主にやっています。
このコンセプトが、売場やイベントだけでなく会社全体の運営に大きく影響をしていくため、とてもプレッシャーを感じる反面、非常にやりがいがある仕事です。
ー職場はどのような雰囲気ですか?
弊社には、「盛岡が好き」「川徳が好き」という地元愛が溢れています。地元を愛し、お客様に喜んでもらうための「川徳イズム」が脈々と受け継がれていると感じます。これまで従業員の方々が築いてきて下さった155年以上の歴史を肌で感じながら、諸先輩方と共に仕事ができる最高の環境です。
商品政策部の皆さん
(手前左から三船部長代理、川村副本部長、中村部長)
(奥左から佐藤課長、小枝指課長、澤口課長)
ー薬剤師からの転身とのことですが、苦労したことは?
やはり、現場が大きく異なるので、戸惑うことがとても多かったです(笑)
最初は苦労しましたが、今となって思うのは、患者様やお客様、一人ひとりのことを考えて仕事をするということはどちらの現場でも最重要であるということです。
生活のスタイルや嗜好など、人それぞれで違います。より喜んでもらえるための提案をし続けることが理想的なのは同じなので、業界は違えど日々勉強です。
学生時代に、野球とハンドボールに熱中していたことを楽しく話している様子。
ー仕事をする上で大切にしていることは?
私が仕事をする上で大切にしているのは、常に相手への感謝を忘れないことです。そのうえで「今できるベスト」を考え、それに近づいていけるように根気強く、情熱を持って取り組んでいくことです。
自分がやりたいと思ったことに情熱を持つのは当然ですが、その情熱が決して自分達本位ではなく、「相利共生」を基本とし、お取引先様など関係してくださる方々にとってより良い企画や事業としていくための提案・実践につながるよう心がけています。
結果としてお取引先様、お客様、川徳で三方良しが成り立つのがベストですね。
売り場にて、営業3部・斉藤部長代理とコミュニケーションを取る様子。
ーこれからどんなことに挑戦していきたいですか?
私は、兼ねてからWebコンテンツを充実させたいと考えていました。百貨店は新型コロナウイルス感染症の影響もありますが、近年厳しい状況が続いています。現に川徳の取り扱っている商品とお客様のニーズにミスマッチがあることも理解しています。こういった厳しい状況の中でも時流見極めながら、「Webを活用した接客」と「リアル店舗での接客」というそれぞれの強みをミックスさせて実践していく必要があると感じています。
直近では社内の若手を中心に「SNSを利用した商品提案」をするチームを作り、少しずつ稼働しております。これを機にLC(ライブコマース)・SNSでの発信を関連づけたECサイトの充実を目指しDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を進めていこうと考えています。
元々の百貨店の良い所を改めて考えてみると、対面でコミュニケーションを取りながら買い物ができる点や、実際に商品を見て、手にとって、商品によっては試食や試着などをし、五感で感じながら買い物を楽しめる点にあると思います。私自身、今でも「行けば何でもある」「ワクワクする場所」が百貨店だと思っています。お客様と触れ合える売場の良さをさらに充実させつつ、オンライン上でのサービスやコミュニティツールも積極的に取り入れ、より多くのお客様に楽しんでいただける「新川徳」作りに挑戦していきたいと思っています。
ー最後に、何か新しいことへ挑戦しようとしている岩手の若者へメッセージをお願いします。
まずは、「○○をしたい・やりたい」という思いが重要です。自分の興味や知りたい事を調べて積極的に学び、その環境へ思い切って飛び込んでみると良いと思います。新たな気付きや人との出会いにより、今まで見えていた景色がよりカラフルになり、実現へ近付けるのではないでしょうか。
先輩から「袖振り合うも多生の縁」と教えてもらったことがあります。これは、「人の縁はすべて単なる偶然ではなく縁によって起こるものなので、どんな出会いも大切に。」ということです。人付き合いが苦手、好き嫌いが激しいなどの感情はそれぞれあると思いますが、苦手や嫌いを受け入れる強さ・器の大きさも大事です。
私自身、これまで様々な人と出会い関わり、助けられながら今に至っています。皆さんも一つ一つの縁を大切にしてやりたいこと新しいことへ挑戦してください。それが将来的に岩手・盛岡のためになることを期待しています。
屋上にて撮影された川村取締役
〒020-8655 岩手県盛岡市菜園1-10-1
019-651-1111(代表)