2020.12.23(水)

岩手を変える!? eスポーツで岩手をもっと面白くする! 遠藤 徹也さん

    

ライター T.Saito

何か新しいことをはじめている人、何かを発信している人。そういった人の多くは、何かしら自分なりの「哲学」を持っているように思えます。「自分が大切にしたい哲学」を考え、見つけることは新しいことを始めるときの手がかりになるのではないでしょうか「いわてつがく」は、そんな思いのもと、さまざまなフィールドで活躍する人たちの「哲学」を紐解いていく連載です。

遠藤 徹也 (エンドウ テツヤ)

岩手県eスポーツ連合 県央支部 岩手eスポーツ協会 代表

事業内容:岩手eスポーツ協会運営

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プロフィール:盛岡市出身。1986年3月25日生まれ。専門学校卒業後、外務省へ入省。23歳から5年間中米ニカラグア大使館勤務。帰国後、退省を決意し盛岡へUターン。その後、盛岡市内の会社に勤務し、eスポーツに出会う。現在は、岩手県eスポーツ協会代表として、県内各地でeスポーツ普及のため活動。

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ーUターンする前の遠藤さんは?

私は、盛岡の専門学校卒業後、上京し外務省で仕事をしていました。仕事を覚えようと必死に働いている中、ちょうど4年目に中米のニカラグアの大使館への赴任が決まりました。しかし、当時は、突然のことで、現地の言語や習慣などが、まったくわからない状況で生活をしていたので、大変苦労しました。ニカラグアでの私の仕事は、現地の方に日本という国を知ってもらえるように、イベントを開催して文化交流を行うことでした。例えば、日本からニカラグアにピアニストを呼んで、演奏会の企画運営を開催しました。今、思えばこれが初めて開催したイベント運営でした。そして、休日には、各国に赴任している外務省の同期たちと時間を合わせてSkypeで近況報告をするなどの交流をしていました。当時は、インターネットを通じて、世界各国の仲間と触れ合い、つながっていることへの喜びを覚えました。

参加されているプレイヤーのPCゲーム機材 岩手eスポーツ協会引用

ーeスポーツと出会ったきっかけとは?

きっかけは、9年務めた外務省を辞めて、地元盛岡のプリントTシャツやユニフォームを作る会社にお手伝いとして入社ましたが、そこで東京出張した際、複数事業を手掛けている経営者と出会ったことでした。その当時は、東京、関西、九州でオンラインゲームが流行っていて、eスポーツカフェ、eスポーツバーなどの事業計画を見せてもらいました。その時、岩手でもeスポーツが事業として成り立てば、今よりも岩手が楽しくなり、eスポーツを通じて街が盛り上がると思いました。その後、2018年秋に岩手eスポーツ協会を立ち上げました。

ー遠藤さんが思う、eスポーツの魅力について教えてください

岩手は、冬は寒く、雪が降ります。しかし、基本的に天候に左右されないのがeスポーツです。さらに、私が海外生活で仲間とSkypeで交流していた経験から、各国の仲間が起きている時間帯に回線を繋ぎ、全世界の人とオンラインゲームを通じて交流できることに、eスポーツの可能性を感じました。年齢、性別に関係なく、地域問わず、プレイヤーやコミュニティの差はないと思います。様々な枠組みを超えて楽しめるのが、eスポーツの魅力です。

今年安比で開催された「G019 Summit 2nd in APPI」の様子。 岩手eスポーツ協会引用

ー岩手eスポーツ協会が、取り組んでいることは何でしょうか?

行政と連携して活動を行うことが、今後のeスポーツの鍵だと思います。他県では、上手に取り組みをしているところもあるので、私たちとしては、参考にして連携できるような活動をしていきたいです。そして、eスポーツは若者が関心あるイベントの一つだと思います。この連携活動には、eスポーツを楽しむだけではなく、地方創生の効果もあると思います。今後は、eスポーツの魅力を発信し続けて、行政と一緒になって岩手のeスポーツを盛り上げていきたいと思います。

岩手には優秀なプレイヤーがたくさんいるので、協会としてプレイヤーを常にバックアップをできる環境を整えていきたいです。東京ではもうすでに、たくさんの大手企業がスポンサーに名乗りを上げて大会を盛り上げています。今後、全国的にも市場の加速度がさらに増していきますので、岩手が盛り上がっていけるように協会としてサポートしていきます。

ーこれから挑戦することを教えてください

岩手eスポーツ協会は、岩手を盛り上げたいとの思いから設立しました。岩手に人をたくさん呼べるイベントとして、eスポーツイベントをお祭りの形でこれからも企画していきたいです。昨年の安比で開催したゲームイベントですが、お陰様で全国から約300名のゲーマーが集まりました。さらに、ゲーマーのみならず、間口を広げて様々なジャンルで企画したことでコスプレイヤ―や飲食ブース、自衛隊がバイクを持ってくるなど、多くの方が楽しめるブースを設けることができました。メインはeスポーツですが、ゲーマーではない人も、盛り上がれる岩手アニメフェスを開催していきたいです。

イベントに参加されていたコスプレイヤーの様子。 岩手eスポーツ協会引用

2020年5月にITやAIを活用した教育に関する取組を行う(一社)超教育協会と協力し、「超eスポーツ学校」を設立しました。この事業では教育関係機関に対してeスポーツを教育の一環として、部活動やサークル活動で組み込めないかなど、eスポーツを通じた正しい教育のため学校に対し、誘致活動を行っています。今後、県内学校で部活動としてeスポーツ部が設立されたら、学校eスポーツ大会を開催したいです。

eスポーツ大会でのゲームプレイヤーの様子。岩手eスポーツ協会引用

ーこれから新しいことにチャレンジしたいと考えている人へ。

いわての若者、全国の若者にメッセージを

まずは自分から行動を起こすことが大事です。それと色々な人と関わることをオススメします。考えることは常に大事ですが、考えてもわからないことや、自分の経験にないことを考えるのは難しいです。目標とかやりたいことをぼんやりでもいいので見つければ、自然と関連してくる人と繋がってきます。結果的に人間としての質が高まると思います。

インタビュー時、岩手から世界に通用するeスポーツのプロ選手が誕生してほしいと話していました。

岩手eスポーツ協会HP

G019 Summit 2nd in APPI イベントページ

 

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