2022.10.7(金)

自分らしいライフスタイルに辿り着いた岩手暮らし  小林彩さん

    

何か新しいことをはじめている人、何かを発信している人。そういった人の多くは、何かしら自分なりの「哲学」を持っているように思えます。「自分が大切にしたい哲学」を考え、見つけることは新しいことを始めるときの手がかりになるのではないでしょうか。「いわてつがく」は、そんな思いのもと、さまざまなフィールドで活躍する人たちの「哲学」を紐解いていく連載です。

小林 彩(Aya Kobayashi)

岩手町移住コーディネーター

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プロフィール:岩手県盛岡市出身。高校卒業後、進学のため上京。アパレル会社にて販売員、イベントプロモーション、広報に従事したのち退職し、オーストラリアに1年間留学。タスマニアでの暮らしに強い影響を受け、自然と共生するライフスタイルを求め岩手県に帰郷。平成29年10月より岩手町地域おこし協力隊に着任し、SNSを活用した町の魅力発信や、商品開発、道の駅リニューアル事業などに携わる。2020年7月に第1子を出産し、2021年8月、任期終了につき岩手町地域おこし協力隊を卒業。9月より岩手町移住コーディネーターとして現職。

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ー東京暮らしから海外留学にチャレンジ

都内のアパレル会社に入社し、イベントプロモーションやポップアップショップを担当する部署を経験した後、最後はプレスとして広報の仕事を続けてきました。

30代目前で改めて自分と向き合い、今までやりたかったことやこれから挑戦したいことなどを振り返り、海外留学をしてみたかったという気持ちを思い出しました。当時は、一度留学して語学を身に付けた後、再びファッションプレスの仕事に戻るという考えで、オーストラリアへの留学を決めました。

※ファッションプレスとは=宣伝・広報活動をして自社ブランドの商品を広げる仕事

ー地元岩手に戻ってきたきっかけとは?

留学先のオーストラリアでは、様々な都市に滞在しましたが、中でも最後に訪れたタスマニア島での暮らしに強く心を惹かれました。その後の自分の生き方を考えるきっかけとなったのは、広く豊かな土地で、自然と共に生活をしている方々の姿でした。

当時の東京での生活は、充実感はありましたが、常に時間に追われる日々や、朝の満員電車での通勤を思い出し、本当に自分が望んでいる生き方はなんだろうかと考え始めました。そこで、東京に帰る事だけが選択肢ではないと気づき、帰国後は生まれ育った岩手に帰ることを決断しました。

ー岩手ではどのような仕事を始めたのでしょうか。

最初は、地元・盛岡で仕事を探しましたが、自分の経験を活かせる仕事が見つかりませんでした。

その後、岩手町地域おこし協力隊1期生の募集を紹介していただき、情報発信や魅力発信の業務では今までの経験が活かせるのではないかと思い応募しました。

現在は、岩手町移住コーディネーターとして、移住相談や移住後のフォローアップ、移住検討者に向けての情報発信を行っています。

地域おこし協力隊任期中に「道の駅石神の丘」のリニューアル事業と製品開発に携わった経緯から、現在も業務委託を受け仕事を続けています。

「道の駅石神の丘」は、地元食材が楽しめる産直とレストランに、美術館が併設されている全国でも珍しい道の駅です。そんな美術館がある道の駅の特色を活かした新商品の開発とリニューアル全体のコーディネートをしています。

※石神の丘美術館の外観の様子

ー小林さんの今の暮らしについて教えてください。

岩手町地域おこし協力隊の経験から、そのまま岩手町に残りフリーランスとして仕事をしています。

フリーランスというと全部一人で仕事をし、責任が重く孤独なのではと思われがちですが、取引先の方々や関係してくださる皆さんに助けられながら仕事をしています。

フリーランスは時間の使い方が自由なので、仕事時間を調整しやすいことが一番のメリットだと感じています。現在、私は子育てをしている真っ最中ですので、子どもと過ごす時間も大切にしながらバランスを上手に取って生活しています。

また、少しずつではありますが、移住者同士のコミュニティーも出来ており、今年は新たにシェア畑を始めました。子ども達と一緒にこの地域ならではの体験ができるのが魅力です。

※シェア畑で作業をしている小林さん

ー今年から始めた岩手町の情報発信について教えてください。

岩手町を紹介するフリーペーパー「IWATEMACHI PAPER」を年2回発行しています。

第1号は岩手町の暮らしにフォーカスし、移住された方々の暮らしや楽しみ方などを紹介しています。

第2号の発行は10月に予定しており、岩手町の魅力の1つである「野菜」を色々な角度からお伝えできるよう制作しているところです。この冊子をきっかけに岩手町を知っていただく方が、少しでも増えてくれたら嬉しいです。

※IWATEMACHI PAPER VOL.1(岩手町を紹介するフリーペーパー)の表紙

ー最後に、何か新しいことへ挑戦しようとしている岩手の若者へメッセージをお願いします。

私は自分自身のインスピレーションを大切にしています。新しいことに挑戦する時や何かを決断する時など、溢れる情報に迷ってしまう事もありますが、最終的には自分の気持ちと素直に向き合いながら答えを見つけていくことが大事だと思っています。

住む場所の選択というのは、自分らしく生きていくことのベースになるのではないかと思います。1人でも多くの方の「自分らしい暮らし」を叶えるお手伝いが出来れば嬉しいです。

 

 

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