いわて若者会議2018 いわて若者会議 若者が地域の課題解決を目指して自…
2018.3.27(火)
いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介する「いわてびと」めっけ!
※「めっける!めっけだ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味。
第39回は、ビール醸造会社経営の袴田大輔さんをめっけ!
第39回 ビール醸造会社経営 袴田大輔さん
袴田 大輔(はかまだ・だいすけ)さん(30)
1988(昭和63)年、1月4日生まれ。青森市出身。筑波大卒業後、大手アパレル企業に就職。横浜市のクラフトビールメーカーを経て、2016年9月から遠野市の起業を支援するプロジェクト「遠野ローカルベンチャー」のビール醸造家育成プログラムに参加。2017年4月に遠野市に移住。同年11月に株式会社遠野醸造を設立し、18年春に遠野市中心部にブルワリーパブの開店を目指す。
コネックサ!民話の里・遠野にやってきたクサ。遠野市といえば民話の他にもホップの一大産地として有名。今回は遠野市でクラフトビール造りの夢に向かって頑張っている袴田さんにお話しを聞くクサ!
こんにちは
なにやら古いお店を改装中クサ!
ここはもともと酒屋さんだったところをブルワリーパブに改装しています。
ブルワリーパブ?
ビールの醸造と提供を同じ場所で行う店です。
造りたての地ビールが飲める場所!?
そういうことです。設備にはとてもお金がかかるので、機械の組み立てなど、自分できることは全て自分たちでやっています。
たいへんクサ!まず、袴田さんとビールとの出合い を教えてほしいクサ。
もともとビールが好きで、学生時代に世界中のビールを飲み歩いていました。中でもチェコで飲んだ日本ビールのルーツと言われる「ピルスナーウルケル」は衝撃的でした。地下の木樽で低温熟成されたビールでしびれるほど旨かった。あと、ドイツのオクトーバーフェストは祭りの規模感や、人々の楽しみ方が全然違うなと思いました。
はじめからビール造りをしようと思っていたんですか?
仕事にしようとは思っていなくて、大学卒業後は大手アパレル店で店長をしました。でも、30歳を目前にしてこの仕事を一生やりたいのか悩みました。日々繰り返される大量生産・大量消費にうんざりして…。少量でもいいからこだわりのあるものをつくって、顔の見える範囲のお客さんに届ける仕事をしたい。自分にしかできない仕事をしたいと思ったんです。
それで転職の決意を。きっと、思い切った決断だったクサ!
自分が何をしたいか考えたとき、ビールだったら熱狂的になれるし、自分のこだわりをこめて造ることができる と思いました。SNSで遠野市のプロジェクトを知り応募しました。
遠野市に移住してもうすぐ1年ですが、遠野の暮らしはどうですか?
春の山々の緑、秋の紅葉、冬景色はほんとうにきれいです。不便さはありますが、今はそれも楽しいと思っています。
ホップの産地としてはどうですか?
生産者の高齢化が思った以上に進んでいます。もちろん生産者のみなさんは、ホップ作りに誇りを持って取り組んでいらっしゃいますが、なんというか産業としてイノベーションが起きていないと感じます。
それは例えばどんなところに?
ホップの品種は80種類以上あるんですが、遠野で作られているのはわずか2種類。多品種栽培や新しい栽培方法などにトライしようという人 が出てくれば、伸びしろはすごくあると思います。
やはり造り手としては、いろいろなホップを使ってみたいですか?
そうですね。たくさんの種類のホップがあったら、ビール造りのレシピは変えずにホップだけの違いで飲み比べができます。それを遠野産のホップだけでできたら、すごいことなんです。
移住して一年間、袴田さんたちが取り組んできたことを教えて下さい。
醸造所立ち上げの準備をしながら、地元の人にクラフトビール を知ってもらう活動をしてきました。月1回「クラフトビールナイト」というイベントを開催しました。あと、「ビアツーリズム」も試験的に実施しました。ビアツーリズムはホップの農作業体験やホップ畑でお花見など、ここでしかできない特別な体験を企画しました。北は北海道、南は九州までの人が参加してくれて、私自身が遠野のホップが持つ 価値を再認識する機会にもなりました。
開店準備だけでも大変そうなのに、頑張っているクサ!
醸造所を作る前に、少しずつクラフトビールのコミュニティーをつくっていくことが大事だと思って意識的に取り組んできました。実際に輪が広がっていると感じます。
開店資金を募るクラウドファンディングも行って、たくさんの協力があったと聞いたクサ!
1月20日から1カ月間で、目標の500万円を大きく上回る794万円余りの支援をいただきました。
すごいクサ!
本当に感謝しています。私 たちにビール醸造の実績はないので、今遠野で起きているムーブメントに対してのわくわく感や期待感の表れだと思います。
遠野を「ホップの里からビールの里にしたい」というストーリーが共感されたわけですね!袴田さんはどんなビールを作りたいクサ?
遠野産ホップのキャラクターを生かしたビールを造りたいです。また、地元の事業者さんとコラボして遠野の素材を生かしたビールも造りたいですね。発酵タンクは4基あるので、一度に造れるのは4種類。仕込みから1カ月ほどで飲めるので、やろうと思えば年間50種類ぐらいできます。あとは、ウイスキー樽やバーボン樽 で熟成させることにもトライしたいです。
楽しみが広がるクサ~。
瓶詰めはしないので、ここでしか飲めないビールになります。
そういうの、なんかいいクサ!つまり来る度に違うビールが飲める?
そういうことです。マイクロブルワリー (小規模醸造所)は機動力が強みですから、来る度に新しい発見があるようにしたいですね。それから、グラウラーというビールを詰める容器もあるので、車で来ても持ち帰れますよ!
それはナイスな情報クサ!オープンはいつを予定しているクサ?
今春のオープンに向けて、準備しています。
オープンしたら教えてほしいクサ!絶対来るクサ!