2018.2.2(金)

タイトル「いわてびと」

〜 【特集記事】第37回造り酒屋経営・杜氏 横沢裕子さん 〜

    

いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介する「いわてびと」めっけ!

※「めっける!めっけだ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味。

第37回は、造り酒屋経営・杜氏の横沢裕子さんをめっけ!

 

 

第37回 造り酒屋経営・杜氏 横沢裕子さん

横沢裕子(よこさわひろこ)さん(43)

大妻女子大短期大学部卒。国税庁醸造研究所を経て、97年に家業の「月の輪酒造店」入社。05年杜氏。紫波町出身。

月の輪酒造店 http://www.tsukinowa-iwate.com/

 

 

 

 

「新酒の季節」ということで、紫波町の造り酒屋・月の輪酒造店にやってきたクサ!女性杜氏の横沢裕子さんにお話しを聞くクサ!

 

こんにちは!

 

 

こんにちはクサ!月の輪酒造店さんは1886年創業。さすが、歴史を感じる建物クサ~!

 

雰囲気があるでしょ!

 

 

早速、お話しを聞かせてほしいクサ!

 

 

はい、どうぞ。

 

 

裕子さんは造り酒屋に生まれたわけですが、小さいころから家業を継ぐつもりだったクサ?

 

 

東京の大学に行ったんですけど、最初は酒造りをするつもりも、戻ってくるつもりもありませんでした。でも、東京で新しいものの中で暮らしていると、伝統産業の良さや岩手の良さを再認識するようになりました。

 

なるほどクサ!

 

 

でも、学生時代に継ぐことを決心したわけではなく、「岩手や造り酒屋って悪くないな」と思ったぐらいでした。卒業後に醸造研究所に行って、全国各地の自分と同じように造り酒屋に生まれた仲間たちに出会い、やってみようかなと思うようになりました。よく、「何がきっかけで?」と大きなものを求められますが、そういうのって特になかったのかなと思います。

 

それで1997年に蔵に戻ってきたクサね。その当時、女性は珍しかったクサ?

 

 

そうですね。そのころほとんど女性はいませんでした。今でこそ若い女性が多くなってきましたけど。

私が戻ってきた時は、「夏子の酒」というドラマの後でしたので、よく「夏子の酒みたいだね」と言われました。

 

コネックも「夏子の酒」知っているクサ!

 

 

社長の娘が蔵に入ることに表向き文句を言う人はいませんでしたが、南部の昔気質の人もいましたので女性が酒造りすることを嫌う人はいたと思います。私への取材も多くて、そうすると仕事に集中できないですよね。

 

そうだったクサか~。

 

 

その時は父が社長兼杜氏でしたが社長業の方が忙しかったので、私はいわゆる“現場杜氏”というような方に教えてもらいました。その方は「これからは女性の時代が来る」と言ってくれて、酒造りの考え方から櫂の入れ方、経営者になるための心構えまでマンツーマンでいろいろなことを教えてくれました。

 

いい出会いがあったクサね!

 

 

 

 

 

その方がいなかったら、酒造りを続けていたか分かりません(笑)。酒造りは教科書通りにいかないことがほとんどなので、対処方法も教わりましたね。

 

裕子さんが杜氏になって、変えたことはあるクサか?

 

 

特に変えたということはないと思いますが、穏やかに過ごすということですかね。

 

穏やか?

 

 

忙しくて余裕がないと気持ちが荒れ、作業が乱雑になったり、注意力が散漫になって大事な時を見逃したりします。作業の安全という意味でも、気持ちの穏やかさは大事です。これまでは酒造りのシーズン中は休まないのが普通でしたが、休みを取るように意識しています。

 

酒造りってシーズン中は休まず働くイメージがあるクサ!

 

 

はい。昔はなかったことです。部署にもよりますが、作業の工夫で2週間に1日ぐらいは休めるようになってきました。気持ちに余裕ができると、人の仕事も見えるようになります。他の部署に目がいくようになると学びの気持ちが出てくるんですね。今では私がほとんど手を掛けなくても作業が進むようになっています。

 

まさに「働き方改革」クサ!

月の輪酒造店では、原材料にもこだわっていると聞いたクサ。

 

9割は県産のお米を使っていて、農家さんともよくお話ししています。良い米を作ってもらうのは大前提ですが、その農家さんに後継者がいるかどうかも重要視しています。また、昔は本醸造や普通酒に食用米を使っていましたが、今は全量を県産の酒造好適米で作っています(普通酒は市場が狭まっているので今はつくっていませんが)。

好適米の他にも、紫波町産のもち米100%の純米酒や、岩手大の滝沢農場で作ったお米、無農薬無化学肥料のひとめぼれを使用したお酒も造っています。

 

好きなお酒の飲み方は?

 

 

独身時代は毎日2合をお燗にして、飲んでいました。今は4歳の娘がいるので娘が寝てから、常温や氷を入れて飲んでいます。

 

氷を入れるクサ?

 

 

生原酒は私には少し濃いので、氷で薄めながら飲むとちょうどいいんです。

 

これからの目標を教えてほしいクサ。

 

 

とにかく家業を続けていくことですかね。特に震災の後や子どもができてから、代をつないでいくことが大変なことだなと感じています。

震災でつなぎたいのにつなげなかった方、子に残したいのに子どもを亡くした方もいたと思います。娘が継ぎたいという気持ちになるような蔵であり、業界であるようにしたいというのが、小さいような大きい目標です。

 

継いでくれるといいクサ!

 

 

仕事は大変ですが、子どもには責任が大きくてやりがいがある分だけ仕事は楽しいんだよっていう姿を見せたいですね。