2017.11.24(金)

タイトル「いわてびと」

〜 【特集記事】第35回りんご農家 高野寛子さん 〜

    

いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介する「いわてびと」めっけ!

※「めっける!めっけだ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味。

第35回は、りんご農家 高野寛子さんをめっけ!

 

 

第35回 りんご農家 高野寛子さん

高野 寛子さん 1980年11月26日生まれ。

神奈川県出身。県立農業大学校を卒業後、奥州市江刺区のリンゴ農家「紅果園」に嫁ぎ、夫とともに共同経営者として活躍している。

 

 

 

コネックサ!リンゴ畑にやってきたクサ!あまい香りがするクサ~。

 

 

こんにちは!

 

 

こっ、こんにちはクサ!

 

 

リンゴって、こうやって手で実を回さないと赤く色付かないんですよ。

 

どういうことクサ?

 

 

葉っぱの陰で陽の光が当たらないと、そこだけ色が付かないんですよ。だから、こうして一つ一つ手で回したり、葉っぱをとったりしているんです。

 

わわ!すごい手間がかかるクサ!

 

 

そうなんですよ!

 

 

忙しいところ申し訳ないですが、寛子さんのお話しを聞かせてほしいクサ!

 

 

いいですよ。

 

寛子さんは神奈川県の出身だと聞いたクサ。

 

はい。小さい頃から農業をしたくて、東京の高校を卒業後、金ケ崎町の県立農業大学校に進学したんです。

 

なぜ、農業?なぜ、岩手にクサ?

 

母の実家が洋野町なんです。そこで、おじが農家をやっていて、リンゴもつくっていました。ずっとこういう生き方がいいな~って思っていました。「孫ターン」の先駆けかもしれませんね(笑)

 

なるほどクサ!

 

 

農業大学校で2年間学んで、そこで出会った先生がリンゴのことをおもしろく教えてくれたんです。

 

どんな風にクサ?

 

「リンゴはしゃべるのにお前はその声が聞こえないのか」って言うんです。それを聞いて「リンゴってしゃべるんだー」って思って、リンゴ生産にはまるきっかけになりました。

 

リンゴの声クサ?

 

 

きっと先生は、「現場が大事なんだよ。現場でリンゴの表情をちゃんと見て学びなさい」って言いたかったんだと思います。

 

 

 

りんごが笑っているように見えるクサ(^○^)

 

 

いい先生クサ!卒業後はどうしたクサ?

 

洋野町のおじのところに就職したんですけど、在学中に今の主人と出会っていたので、すぐに結婚して嫁ぐことにしたんです。結婚って勢いが大事なので!

 

ふむふむクサ~。

 

でも、最初は嫁としての立場をすごく考えてしまったんです。もともと経営者になりたかったんですけど、「主人を支えなきゃ」っていう気持ちがあって、一歩引いてしまっていました。子供も3人いたので。ちなみに中2、小5、小2の子供がいるんですよ!

 

3人も子育てしながら。たいへんそうクサ。

 

 

そうですね。でも、一番下の子が1歳ぐらいで保育園に入るとき、岩手大学で農業経営の勉強をする「いわてアグリフロンティアスクール」があるのを知って、何か自分の中で変わるきっかけがほしくて受講してみたんです。そうしたら、自分より年下の女の子が大規模な農業経営をしていたり、みんなすごく頑張っているのを見て刺激を受けました。自分で意欲的にやった方がいいんだって意識が変わってそれで、夫と共同経営者として頑張ろうと思ったんです。

 

そこでも良い出会いがあったクサね!経営者になって何が変わったクサ?

 

品種のことだったり、雇用のことだったり、いろんなことを自分で考えて動かすようになりました。責任が大きくなった分、面白さも増えました。

 

紅果園についても教えてほしいクサ?

 

「ロマンシリーズ」というオリジナルの品種を作っています。主人の父が20年ぐらい前から育種をやっていて、今は紅ロマン、奥州ロマン、藤原ロマン、ゴールドロマンの4品種を出しています。特に奥州ロマンは糖度が高くて、日持ちもして、品種のブレが少ないんです。

 

品種のブレ?

 

 

リンゴは同じ木からでも、美味しいものと美味しくないものができてしまうんです。どうしても美味しくないものも流通に乗ってしまう可能性があるんです。その点、奥州ロマンはほとんどおいしいものができるので、栽培がしやすく味の評価も高いです。

 

 

リンゴの品種ってそんなに簡単に作れるクサ?

 

 

それが、簡単にはできないんですよ。一万個の種を植えて、一ついいものができるかどうかが育種の世界です。そういう意味では4品種登録できているのは、奇跡と言ってもいいですね。

 

なんでそんな奇跡が?

 

主人の父が朝から晩までリンゴのことを考えているような人で、リンゴ栽培に100%情熱を注いでいるからですかね。

 

高野さんのところでは、一年中出荷できるって話しも聞いたクサ。

 

 

そうなんです。

スマートフレッシュという貯蔵方法を使って一年中販売しています。エチレンを抑制する処理をして長持ちさせています。

 

農業をやっていてよかったことはどんなことクサ?

 

 

人との出会いが意外に多いことですね。出会いがきっかけで自分も成長できました。

 

農業を志す若い人に向けてアドバイスがほしいクサ。

 

 

農業って実は今の時代に合った職業だと思います。儲けたいと思ったら規模を拡大すればいいし、小さい規模で自分のライフスタイルを大事にしながらっていう経営もできます。自分のやりたいように生き方が選択できる職業です。

 

これからやってみたいことはどんなことクサ?

 

 

今、県南広域振興局のキャリア教育サポーターをやっていて、地元の小中高校に農業について話す機会をいただいています。観光客の収穫体験や学校の遠足も受け入れて、現場を見て知ってもらう機会を増やしています。小さい子に農業の魅力を伝えられるのはすごく意味のあることで、農業をやりたいっていう子どもを増やしたい。それが今の夢です。