2016.3.31(木)

タイトル「いわてびと」

〜 特集記事第15回 村杉真路さん 水島達也さん 〜

    

「いわてびと」めっけ!のコーナーでは、いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介していきます! 「めっけ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味です。

第15回は、奥州市で様々なイベントを企画、運営しているNPO法人「夢追座」に所属する、村杉真路さん、水島達也さんのお二人にお話を伺いました。
「自分たちが暮らす地域は、自分たちの手で盛り上げよう!」をスローガンに掲げ、奥州市もっといい所にしようと奮闘する、村杉真路さんと水島達也さんを、めっけ!

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◎村杉真路 1984年岩手県岩手郡葛巻町出身。
◎水島達也 1984年岩手県奥州市出身。
◎特定非営利活動法人 夢追座 村杉さん、水島さんが所属する団体。奥州市で精力的に活動中。

特集【第15回】 村杉真路さん、水島達也さん
1.村杉真路さん、水島達也さんって?

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お二方の自己紹介をお願いします!

村杉:夢追座の副理事長をさせて貰っています、村杉真路と言います。出身の方が葛巻町になりまして、就職の関係でこちらに来ました。
はじめはこの夢追座という団体を立ち上げる前身の、団体といいますか、そこまで堅苦しい会ではない、フットワークも軽く「思いついたことをやっていこう」という集まりに顔を出すようになり、その集まりを改めて「夢追座」として、団体として設立しましょうという時に、立ち上がりに携わりながら活動してきて、去年から副理事を務めております。84年生まれの31歳です。奥州に来てからは11年目ですね。

水島:水島達也と申します。同じく84年生まれの31歳です。普段は市内で勤務しております。
夢追座に係わるきっかけは、前身の団体が行ったイベントに参加者として参加したところ「参加者ではなくスタッフとしてやってみたらどうだい」と誘われまして、そこから居心地がよいこともあり、なんだかんだで5,6年ここで活動をしています。

参加したいという方をスタッフに誘うというのは変わったきっかけですね

水島:なかなか複雑な事情がありまして(笑)。その当時無職でフラフラしていまして、面白そうな団体が何かやっているということで、やってみないかと誘われたんですね。

「前の団体」というのは、任意団体からのスタートだったんでしょうか?

村杉:任意団体だったのは短い間ですね。ここ(奥州市勤労青少年ホーム)の指定管理を受けるにあたって、その為に任意団体として立ち上げを行ったんですが、任意団体のままにはせず、すぐにNPO法人へ切り替えましたので、通過点のような感じですね。その前までは本当に知人友人が集まって動いていた、サークルの延長のような仲良しの集まりでした。

水島:私は団体立ち上げの時には離れていたのですが、後から再度合流した形になります。

2.村杉真路さん、水島達也さんのアクションforいわて

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村杉:実は私は、一番最初の最初には関わっておらず、ある程度集まりの規模が大きくなってから入ったんですね。

団体としての立ち上げは2011年という事でしたが、それより以前から集まり自体はあったんですか?

村杉:もっと前からですね。それこそ10年くらい前にはそれなりの規模で活動をしていました。自分と同じか少し上くらいの年代が中心なんですが、この辺は「ジュニアリーダー」という、地元の中高生が子供たちのリーダーになっていろいろお世話をしていこうという活動が活発な地域だったんですね。そういう人たちが高校を卒業してしまうと、結構熱を入れて活動していたのがフッと何も無くなってしまうと。そういう熱を持ってやってきた人たちが力を持て余してしまうのを勿体ないなと声をかけて集まってきたのが始まりなんです。自分もそれに完全に乗っかった形というか、奥州に来て知り合いが全然いない中、会社と家の往復だけで持て余していたんですけど、居場所があるぞということで、入ったんですね。
今は「夢追座」という団体としていろいろなことをやっていますけれど、核になっている思いとかきっかけとかっていうのは、そこに集約されると思います。それから、自分たちだけが楽しんでいるのも勿体ないから、地元に貢献できる活動をということで幅が広がってきたんですね。

今は何人くらいのメンバーで活動しているんですか?

村杉:30人前後ですね。団体の性格上、「興味のある活動に参加してくれればいいよ」という事にしているので、全ての活動に出続けている人は少ないですね。「お化け屋敷なら」「鬼ごっこなら」のように、このイベントなら手伝うよ!という人もみんな合わせて、そのくらいの人数です。

現在の活動として、開催されているイベントについて教えてください。

村杉:一番初めに力を入れたのは夏のイベントとして「盆踊り」だったり「夏祭り」「お化け屋敷」をやろう!という活動ですね。このイベントは形を変えながらですけれども、ずっと開催しています。近年は開催日を増やしていますが、やる側も、来る側も、やはり1日だとその日の都合がつかずに行けなかったという方も出ますし、こちらとしてもせっかく2週間とか掛けて作ったものを1日で終わらせてしまうのは勿体ないのもあっての対応です。

「わっか市」について、どういう経緯で始まったイベントなのでしょうか?

村杉:私も岩谷堂箪笥を作っておりまして、メンバーの中にも野菜を育てている方とか画家、ミュージシャン等、クリエイティブなことをしている人たちが集まっていて、「何かやりたいよね」という話がありまして。
活躍の場というのも外にはいろいろあるけれども市内にはあまりなく、とにかく「知ってもらいたい」というのが大きくありまして、せっかくやっていることを地元の人間が知らないのは勿体ないですし、今まで繋がりが無くて一人でコソコソとやっていた人にもどんどん出てきてもらって、その人たち同士での繋がりを持ってもらいたい、というのが開催のきっかけですね。
今年度で2回目の開催になり、700人くらい動員はできているんですが、まだやっぱり身内からの口コミという感じですので、根付かせるためには長くやっていかないといけないですね。

「夢コン」というイベントも長くやられているとお聞きしました。

村杉:夢追座が引き継いでやっている企画で、この勤労青少年ホームが前沢地区にもあった頃(奥州市に合併する前)に、若い人たちで「サタデーナイト~~」と冠して毎年1回、土曜の夜にやっていたのが始まりです。昨今街コンとしてブームになったりもしましたが、そうなる前から地道にやっていた活動なんです。ただ母体となっていた団体が市町村合併で無くなってしまうという事になり、それは勿体ないと。中心メンバーが何人か我々の団体にもいたので、じゃあ知ってる人間がいる団体で引き継ごうという流れですね。
昔はバスツアーとかも行っていたんです。それこそ水島が団体入りした時のがそうでした。ホテルを会場に、100人規模で行ったこともあります。ただ、今は参加者のニーズに合わせて人数を絞ったり、若い人が好むお店を選んだりしています。

水島さんが夢追座に参加するきっかけのイベントは「夢コン」だったそうですが、どういう状況だったのかお聞かせいただけますか?

水島:まったく誰一人知り合いがいない状況だったんですね。もう、知らない人達の中に「行って来いよ」と言われてポンと入っていって、「どうしよう」と。参加前にはノリノリで「任せてください!」くらいのテンションだったんですが、いざ飛び込んでみると「知ってる人いねぇ~どうしよう」と(笑)。ただみんな初対面だったんですが良くしてくれて、居心地も悪くなかったので、ズルズルと付き合い続けるきっかけになっていますね。

村杉:スキルアップ感がすごいですね、水島は。

水島:そうですね、当初から割と無茶ぶりをしていただいて(笑)。

村杉:いやあ、一番メンバーの中で、加入時から現段階になる時にいろいろなスキルが伸びてると思います。

「無茶ぶり」の賜物でしょうか?

水島:どちらかといえば基本的には内向的な人間で、内側内側へと向かうタイプで、イベントに参加したことも勢いだったんですね。内心は「ヤバい、どうしよう…」って思っていたりしていたんです。でもその中でイベントを手伝ったりする中、最初は裏方だったんですが今は司会等もたまにさせて頂いていまして、まだ経験不足だと思うところはありますけど、確実に何か変わっているというか。
成長というか、少しは社交的になってきたのかなというのはありますね。

先月行われた「鬼ごっこ」イベントも盛況でしたね!概要を拝見しましたがとても面白そうでした。

村杉:このイベントも我々の活動らしい活動というか、今はもう結婚しているメンバーがいるんですが、交際中に「藤原の郷で鬼ごっこしたら楽しそうだよね」なんて会話をデート中にしていたそうなんですね。そういう話をメンバーの前で惚気ながら話したりしたんでしょうかね、よくわからないですけど(笑)。そういった何気ない会話の中で「それ面白そうだね」と盛り上がっていって、実際にやってみようという流れから、行動に移して実際に開催したんですよね。何気ないきっかけでも、若い人が熱量を持って取り組めば面白いイベントに仕上がっていくし、認知も広がって地域に根付いていくっていうのは、ある程度我々が目指している活動のひとつだと思いますね。

スタッフの役割分担というのはイベントごとに変わる感じなんでしょうか?

村杉:適材適所が基本ですね。いろいろな人間が携わっている団体なので、昔取った杵柄でジュニアリーダーをやっていた人は仕切りや司会をやっていたりしますし、各々のスキルに応じた役割を振ることが多いんですが、それだけだと固定化してしまうのでたまに今の水島のように「司会やってみろよ」などと無茶ぶりをしてみたりすることで、新たな面を伸ばして行けるというのもあると思います。

◎大人”だって”鬼ごっこ とは◎
「大人“だって”鬼ごっこしたい!」その一言から始まった夢追座主催の鬼ごっこイベント。
会場は奥州市内の「えさし 藤原の郷」。敷地内をダイナミックに利用する本気の鬼ごっこ。2016年2月に第7回が開催。

 

3.村杉真路さん、水島達也さんの思う、いわてのミリョクって?

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お二方の思ういわてのミリョクってどういうところでしょう?

水島:「何もない」と思うこともありますが、日本に二つしかない天文台があったり、鬼ごっこイベントの舞台になっている「えさし藤原の郷」は大河ドラマのロケが来るようなスポットだし、フットサルのチームが10以上ある地域だったり、ちょっと変わったことをしてる団体がいたりするので、「何もない」ように見えるだけで、本当はいる、あるはずなんですよね。その中から自分に合うものを見つけられれば、居場所だったり自分を磨く何かだったり、そういうものがちゃんとあるんだぞ、と思っています。

4.村杉真路さん、水島達也さんから若者へのメッセージ!

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お二方から、若者の皆さんへのメッセージをお願いします!

村杉:学生終わって社会人になると、急に自由になるんですよ(笑)。やれることが格段に増えるんですけど、それを教えてくれる人間もいなくなるので、そういう中で自分の居場所をどういう風に探していくかってのがたぶん大変になってくると思うんですけど、「熱量」を自分で持ち続けていれば、居場所が無かったら自分で作ってしまえばいいんだというのも手だし、既存のところに入ろうとしたら選択肢が少なくなってしまう事もあると思うので、やりたい事が明確であれば自分たちでやってしまうのも手かな、と。そう思います。

水島:何もせずに仕事と家の往復であるとか、内側に籠ってしまったりとか、そういうのが別に悪くはないし人それぞれなんですが、何もしないで日がな一日過ごすよりは、外に出て探してみれば面白いことに遭遇できるかもしれないんですね。いろいろなイベントに参加するたびに後悔だったり迷いだったりがあるんですが、やらないで後悔するよりはやって後悔した方がいいと思っていますので、まずは外に飛び出してみようぜ、と思います。人と繋がって「わっか」を作っていくのはすごく楽しいし、それができる環境を見つけてほしいなと思います。

ありがとうございました!

「もったいない」ならやっちゃおう!
村杉さん、水島さんの熱いメッセージ受け取っていただけましたでしょうか?
次回もいわてで活躍する方を引き続き取材していきます。 お楽しみに!!


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