いわて若者会議2018 いわて若者会議 若者が地域の課題解決を目指して自…
2015.7.30(木)
「いわてびと」めっけ!のコーナーでは、いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介していきます! 「めっけ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味です。
第6回は、8月に岩手県盛岡市で開催されるお祭り「盛岡さんさ踊り」に取り組む若者を紹介します。
職場から町内会、有志による集団など様々な団体が参加するため、踊り集団パレードの各参加団体を対象に「太鼓の迫力、踊りの華やかさ、かけ声の大きさ、団体としての統一性等」の審査が行われ、パレードが開催期間中は、毎日「最優秀賞」や「優秀賞」等の受賞団体が発表されます。
ここ数年高い評価を受けている県内3つの大学のチームと、さんさ踊りを盛り上げるための活動をしている岩手大学のサークル「NPCN」にそれぞれお話を伺ってきました。
今年のさんさ踊りは、3大学のチームが同じ日にパレード出場をするという、今までになかった事態。毎年お互いに協力し合いながらも切磋琢磨をしているそれぞれのチームの熱い思いを、語っていただきました。大好きなさんさ踊りに熱中し、日々練習に励んでいる若者たちと、さんさ踊りの新しい魅力を引き出そうと奔走している若者たちを、めっけ!
まず初めに、岩手大学さんさ踊りチームの、太鼓パートリーダーの塚澤尚悟さん(大学院2年生)と、踊りパートリーダーの真崎哲さん(農学部4年生)にお話を伺いました!
真崎さん:パートを選ぶ時、踊りパートは女性の方が多くて、男性は太鼓をやったほうが力強いイメージもあるとも思ったのですが、そこを敢えて、男性は男性なりに魅せれる部分というか、踊りでできることがあるのでは、と思って、踊りの方をやろうかなと思いました。男性でもここまでできるようになるぞ!とか、違いはあっても、男性はこういう良さもあるよ、ということを感じてもらえたらいいな、と思っています。
塚澤さん:うちでは練習を厳しく指導していて、練習に来れない人は本番に参加させないぞ!と言うこともあります。
真崎さん:中には、練習が辛すぎて辞めていってしまう人もいます。
塚澤さん:でも、どんなに辛い練習が2ヶ月間続いても、やっぱり当日のパレードに出ると、また来年出たいな、と思います。皆で同じ目標に向かうというか、勝ち負けではなく、披露することを目的としている団体なので、そういう集まりが僕はすごく好きです。
真崎さん:普段の学校生活では接点のない違う学部・学科の人とも、さんさを通して知り合えて、一緒に練習したりできるのが楽しいです。あと、指導者という立場を経験して、人にどう伝えたら分かってもらえるか、自分にそういう能力があるのか、どうしたらそういう力を付けられるのか、というのを考える力がつきました。
塚澤さん:指導もそうですが、全体の雰囲気を盛り上げたりするのも大事でした。厳しく教えるだけではなく、人と人とのつながりをもって、雰囲気を盛り上げていく。それも、さんさを通して得たものかなと思います。
塚澤さん:一昨年、去年と最優秀賞を獲得しているので、少しプレッシャーがあります。今年賞が取れなくて「頑張ったからそれでいいよね」ということになったとしても、今までの先輩たちは悲しく思うかもしれないので、そういう意味で、少しプレッシャーはあります。でも今まで続けて思うのは、最優秀賞だけが全てではないな、ということです。ベストを尽くして観客を盛り上げて、自分たちが楽しめればいいな、その結果として賞が取れれば一番いいのかな、と僕は思います。
真崎さん:僕は、卒業後の進路としてオーストラリア留学を考えているのですが、日本の伝統的な踊りをやっていたというのが海外に行った時に日本人としての強みというか、自分の特徴になるのかなと思っています。卒業後の参加は難しくなってしまうかもしれませんが、そんなふうに考えています。
塚澤さん:さんさ踊りは、大学などの枠ではなく、さんさの好きな人が集まってできたチームも参加しているので、そういったチームに入って参加することもできます。岩手のお祭りは、僕の中では「輪」のイメージが強いお祭りばかりだと思ってます。参加したいと思ったら、ぜひ参加してほしいと思います。
真崎さん:月並みですが、少しでも興味があればやってみたほうがいいと思います。興味があることはぜひやってみてほしいと思うし、それをやることによって、伝統に触れられるだけではなくて、人とのつながりや、その後の人生にも色々な変化があると思います。少しでも思いがあれば、やりましょう!
次に、盛岡大学さんさ踊りチーム総長・太鼓パート担当の吉田寛典さん(児童教育学科3年生)にお話を伺いました!
入学してすぐの頃、学内でチームが踊りを披露しているのをたまたま見かけて、それで虜になってしまいました。もう、迫力がすごくて。1年生から参加していて今年で3年目になります。今はリーダーの1人として、5〜6月はメンバーに踊りの基本を教え、7月以降は全体の踊りを見て、指導をしています。他に7人のパートリーダーがいて、8人で作り上げていく感じです。僕は、全体を見る「総長」という役割で、その下に太鼓のパートリーダー、踊りのパートリーダー、笛のパートリーダーがあります。僕は太鼓のパートリーダーでもあるので、基本的には太鼓パートを見ています。毎日が試行錯誤です。うまくいくときもあるんですけど、最初のうちは本当に失敗が多かったです。失敗する度に、これはだめなんだ、ということを学んでいって、どんどん失敗は減っていきました。
太鼓パートを選んだ理由は、「カッコいい」からです!太鼓の面の浮き沈みが大きく、躍動感がすごく出る激しい踊り方をします。でも、1年生の時は、全然カッコいい踊りができなくて。2年生になって、たくさん練習したらとても成長して、周りからも「踊り、変わったね!」と言われたし、練習した分の成果が出て、見た人にも分かるくらいに成長したことで、さらにさんさ踊りが楽しくなりました。
今年、最優秀賞が取れれば8連覇なのですが、8連覇というのは過去にどこのチームも達成していないんです。今年取れれば、初の8連覇ということになるので、今年は特に最優秀賞取るぞ!という意気込みを、チーム全体で持っています。ただ、目標はあくまで目標で、必ず取るんだというものではなく、目標に向かって日々練習をしていることが最も大切だと考えています。大勢の学生がさんさ踊りというひとつのモノに集まり、熱中できるということの素晴らしさ、いつかさんさ踊りに参加したことを振り返った時に感じてもらいたいと思っています。そして、本番は誰一人として後悔することなく、楽しく踊り切れることを目指しています。それが達成できれば結果は必ずついてくると私は考えています。
さんさ踊りは、見て楽しんで、魅せられて楽しんで、参加して楽しむ、というふうに、楽しみ方がたくさんあるので、まずはさんさ踊りのパレードを見に来てもらいたいです。見に来てもらって、楽しんでもらって、輪踊りで一緒に参加して楽しんで、それで「さんさ踊りいいな」と思えた人は、さんさ踊りのチームに入って、今度は自分が魅せる役割で、色々な人に笑顔を振りまいてください!特に盛岡大学のさんさ踊りは、皆が楽しむ踊りであり、楽しませる踊りであること、その両方に力を入れているので、ぜひ見に来て、参加してもらいたいと思います!
最後に、岩手県立大学のさんさ踊り実行委員会代表・踊りパート担当の三澤栞さん(看護学部3年生)にお話を伺いました!
葛巻町の出身なのですが、毎年母に連れられて見に来ていて、小さい頃からさんさに憧れていました。なので、県立大学に入った時、絶対やりたい!と思いました。1年生から参加して、初めての本番の日、嬉しすぎて、本番のスタート前に並んで待っている時、太鼓の音が始まると同時に一人で泣いてしまいました。それくらい、憧れを持っていました。さんさ踊りは、踊っている人たちの笑顔が輝いているところや、年齢を問わず参加できるところが好きです。県外から来た子も輪踊りに入れてもらえたりしていたのを見て、敷居が低くて、誰でも楽しめている様子にすごく惹かれて、いつの間にか虜になってしまいました。踊りパートを選んだ理由は、何も道具を持っていない分、お客さんとの距離がすごく近く感じるので、さんさの魅力をもっと感じられるし、今度は魅力を与える側になれるのでは、と思ったからです。
考え方はすごく変わったなぁと最近すごく感じています。最初は、自分が踊ることで精一杯で、自分の夢を叶えて満足していたのが、今は県立大学の名前を背負っているので、どうしたらもっときれいになるかな、どうしたらもっと楽しんでもらえるかな、というように、一歩引いてお客さん目線で考えたり、ちょっと客観的な目で考えるようになってきました。今年は県立大学の代表として出場するので、まずは自分も楽しみながら、皆が楽しんでいるかどうかということも気にかけて見ていくようにしたいです。そして、終わった時に「やれるだけやった」という思いを皆で分かち合えるように、残り少ない練習ではあるけどその中でさらに皆の気持ちを合わせていって、最後はそういう終わり方をできたらいいなと思っています。
今年は県立大学では「魅せるさんさ」というのをテーマに皆で頑張っているのですが、笑顔とか、楽しむということの基盤となるところに、「揃えるさんさ」というのがあります。これは、昨年の先輩たちが作り上げてくれたさんさで、動きをパートごとではなく全体で揃えよう、というもので、踊りの技術的なところですごく気をつけているところではあります。やっている人が楽しめば見ている人も楽しんでくれて、最終的に「魅せるさんさ」というのを達成できれば、それが私たちのゴールです。
さんさは見てもらえれば魅力を分かってもらえると思うので、まずは見に来てほしいなと思います。ぜひ見てもらって、少しでも「いいな」と思ったら、輪踊りに参加してもらいたいです。今3年生になって感じるのですが、大学4年間というのは、すごくあっという間で、自分が「やろう!」と思ったり「充実したものにしよう」と思えばいくらでも充実させることができるけど、逆を言えば、ちょっとでもサボったり、「面倒くさい」と言って過ごしていたら、何もない生活で終わってしまうと思います。せっかく4年間大学に通うのだったら、少しでも迷ったらやってみたほうが、色々学べるし経験にもなります。迷ったらやる!やってほしいな、と思います!
特別編として、盛岡さんさ踊りを盛り上げようと様々な活動をしている、岩手大学のサークル「NPCN」の代表阿部慶太さんにお話を伺いました!
NPCNとは、New Power Creative Networkの略称です。「まちづくり」をテーマに、「New Power=若い力」で街を盛り上げようということで活動をしています。創設して3年目、僕は2代目の代表で、現在14人の岩手大学生メンバーで活動しています。商店街を対象にした地域情報紙「
笑顔のポスターを街角に貼って、さんさ踊りを予感してもらうという、盛岡さんさ踊りの普通の楽しみ方を、異なる視点から新たな魅力を見出だそう、という企画です。この企画はもともと、岩手大学の卒論テーマで、「地域課題解決プログラム」といって、盛岡商工会議所の人から、学生の力で新たなさんさの魅力や楽しみ方を卒論で取り上げてほしい、という話がありました。それを、NPCNが途中から引き継ぎました。2014年からはテーマ性を持たせようという流れになり、「さんさで広がる笑顔の輪」というテーマで、みんながさんさ踊りを踊っているような写真を撮って、盛岡市内の北日本銀行大通支店の壁面に笑顔の写真を貼り、輪踊りをイメージした企画をやろうと思いました。輪踊りは、踊ったことのない初心者や経験者が一緒になって踊るものなので、市民参加という意味を連想させようとしています。NPCNの活動のひとつとして、市民とか学生を巻き込んで大きなものにする、というのもあるので、市民参加型の企画をやりたいなということから、この企画をやろうと考えました。
また、笑顔の写真だけでなく、盛岡さんさ踊りの時に輝く男性24名にスポットを当てて、クロステラスの壁面に写真を設置しています。盛岡さんさ踊りは女性のお祭りのようなイメージが強いので、男性にスポットを当てたら新たな魅力に繋がるのではないかと思いました。さんさ踊りはとても大きなお祭りなのに、その前の期間にお祭りの雰囲気がない、という課題があったので、ポスターを貼ることでさんさ踊りを予感してもらおうと考えました。視覚から入る、人の笑顔の写真というのは力のあるものだと感じています。作成は、撮影から編集まで、全て学生でやっています。この笑顔の写真を見ることで「今年もさんさの季節が来たな〜」と思ってくれる人が増えたらいいな、と思っています。
駅の西口から大通りを経由して、1.5kmの南部風鈴の道を作ろうという企画です。費用はクラウドファンディング「いしわり」を使って資金を募集しています。(※インタビューの後、無事に目標金額を達成することができました!)ポスターは視覚へのアプローチだったので、「五感から入ってくるもの」ということで、耳から入ってくるものとして、風鈴を選びました。さらに「いしわり」で支援を募るという形で市民参加を意識してみました。クラウドファンディング自体、まだ市民の人たちにそれほど広まっていないというのもあって、最初は不安だったのですが、いざ出してみると応援してくれる人がたくさんいて、できるんじゃないかなと思えてきました。盛岡市の許可も、無事もらうことができました。そうやって認めてもらえてありがたいと思います。クラウドファンディングの資金で購入した風鈴は、NPCNが保管をして、来年以降も継続してやりたいと思っています。毎年風鈴の音を聞いて「もうそろそろさんさだな〜」と思ってもらえたら嬉しいです。
当日は、TwitterやFacebookで笑顔の街角プロジェクトのページから、さんさの実況中継のような形で企画をいくつか用意して、さんさを広めていく活動をしようと思っています。当日までは、Facebookページ で日数のカウントダウンをしています。さんさ当日の70〜80日前から40日前くらいまでは、NPCNのメンバーが10日おきに「さんさまであと何日」というのを更新して、残り30日になってからは、岩手大学と岩手県立大学と盛岡大学のさんさ踊りチームの皆さんにご協力頂いて、毎日3つの大学の学生が、共同企画としてさんさ当日までの日数を数えています。
岩手県は、こういったまちに貢献する活動をしやすい場所だと思います。Co.Nex.Usのサイトだったり、県全体が若者を後押ししてくれていたり、盛岡市民の温かさなど、のびのびと活動できると感じています。こういう活動に興味がある人がいたら、比較的活動しやすい環境だと思うので、ぜひ挑戦してほしいです。自分の何かを変えたいと思うなら、ふとしたきっかけを掴むことで、何か新たなものが見いだせることがあると思います。NPCNへの参加は、岩手大学の学生でなくても大丈夫です。興味があるという人には、自分たちの活動を知ってもらえるだけでも嬉しいですし、遊びに来てもらったり、話を聞きに来てもらったりというのも大歓迎です!
「盛岡さんさ踊り」に熱中する若者たち、いかがでしたでしょうか?
どの団体さんも、「さんさ大好き!」という気持ちがとても強く伝わってくるインタビューでした。今年の「盛岡さんさ踊り」は8月1日(土)〜4日(火)の4日間、盛岡市で開催されます。ぜひ、魅せられに来てください!
◇本企画の紹介ムービー!
盛岡さんさ踊り 公式HP
http://www.sansaodori.jp/
岩手大学 さんさ踊りHP
http://www.iwate-u.ac.jp/sansa/
盛岡大学 さんさ踊りHP
http://www.morioka-u.ac.jp/campus/sansa/
岩手県立大学 季刊IPUアクション!(さんさ踊りの記事有り)
http://www.iwate-pu.ac.jp/web-ipu/backnumber/vol61/campus_frie.html