いわて若者会議2018 いわて若者会議 若者が地域の課題解決を目指して自…
2015.5.27(水)
「いわてびと」めっけ!のコーナーでは、いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介していきます! 「めっけ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味です。
第4回は、平成26年度いわて若者アイディア実現補助事業を活用し、「オリジナルスパイスカレーによる4Hクラブ、農畜産物のPRプロジェクト」を実施した、カシオペア4Hクラブの会長 荒谷直大さんにお話を伺いました。Uターンで果樹園の専業農家となり、農業そして地域の盛り上げに力を注ぐ、荒谷直大さんをめっけ!
二戸生まれの二戸育ちです。高校を卒業してからすぐに農業研修所っていうところに入所して、そこで1年間農業を勉強しました。本当は就職したいっていう思いがあって勉強したくなかったんですけど…。実家が果樹園をやっていて、父親がどうしても1年でいいから行けというので、とりあえず行って。その後は実家で農業を2年くらいやったんですが、やっぱり外に出たいという思いが強くなって、関東のほうに就職しました。 正直、地元が「田舎」っていうコンプレックスじゃないけれど、都会へのあこがれみたいなのがあって…。
都会での暮らしも最初は面白かったんですけど、でも、長期の休みになるとやっぱり地元に帰りたくなって。帰省するたびに、いわてって、「人」も「食」もすごく魅力があるなって。今まで普通だと思っていたことが普通じゃないんだなっていうことを徐々に感じました。自分は田舎が嫌で出て行ったはずなのに…。 結局、4年くらいして地元に戻って、果樹園を継ぎました。
(以前は)職業をきかれたときに、「農家」ってこたえるのが嫌だったので「自営業」とこたえるくらい、自分が農家であることがコンプレックスでした。でも、今は全然違います。 カシオペア4Hクラブもそうですけど、ほかの同世代くらいの農家のひとたちをみたときに、すごく一生懸命で、カッコイイって思えるようになったんです。自分もこういうふうになりたい、その仲間に入れたら嬉しい、みたいなあこがれを抱くようになって。 自分の中での農家のイメージも、すごく変わりましたね。
自分が東京に出る前は、(農業は)ただただ大変だっていう思いしかなかったんですけど、今は喜びだったり、やりがいを感じられるようになりました。 農産物でいえば収穫だったり、食べてもらって「おいしい」って言われた時、やっぱり感動するというか、それが何にも代えがたい喜びです。 大変には変わりないですけど、それが報われるときがあるなって、今は感じています。
カシオペア4Hクラブとして継続的に取り組んでいるのが、まずは自主制作のラジオ番組です。農業や農家についてもっと知ってもらおうという狙いで、カシオペアFMで「新じゃご太郎ラジオ」という番組を隔週で放送しています。(※「じゃごたろ」…方言で「田舎者」という意味)
番組はあらかじめコーナーをいくつか用意していて、二人で一班の5チーム編成で、それぞれのペアがその時々にやりたいコーナーをチョイスして、自分たちで企画~録音~編集をしています。BGMも、メンバーに作ってもらったり。個々の力を結集して、自分たちも楽しみながら制作しています。
内容は極力、自分たちが普段行っている農作業だったり、季節に合った収穫物の情報を発信するようにしています。あとは、実際にしゃべっている人の魅力であったり、そこから発展して「この人の農産物食べてみたいな」って思ってもらえれば、なお嬉しいですね。 カシオペア4Hクラブや農家の魅力を発信する、すごく良い手段になっていると思います。
それから、イベント参加による農産物のPRにも力を入れています。積極的に農家が「おもて」に出て、農産物だったり農業の良さを伝えることが大事だと思っているので。今までは直売会というかたちで、野菜やお米であったり、花であったり、生産物をそのまま売っていたんですけど、昨年(H26)は初めての試みで、イベントで加工食品のオリジナルキーマカレーを作りました。 材料はほとんど地元食材を使用して、スパイスの調合もオリジナルで、試行錯誤のうえに完成したカレーです。このカレーを食事の提供が可能なイベントに参加して販売し、農産物をPRすることに取り組みました。
※PRイベントに参加するためにいわて若者アイディア実現補助事業を活用。
お客さんにどういう反応をされるのか、 農産物だったら自信を持って売れるんですけど、私たちは料理のプロではないので、その面での怖さはありました(笑) でも、アンケートをとったら、「おいしかった」が80%で、ホッとしました。「よかったよ」とか、「果実の甘さがつたわった」と言ってもらえて。 「大人には甘すぎる」とかって意見もありましたけど(笑)。そういった(消費者からの)意見を参考に、2回目はりんごジュースを少し減らしたりとか、改良につなげました。
カレーに限らず、次はスムージーを作れないかなって、ちょっと考えています。
あとは、JM研究会という若手りんご生産者の中で、自分たちで二戸産の新しい品種のりんごをつくろうという活動もしています。
希望をもって、将来に残るようなりんごを、ということで地道に取り組んでいます。
うちのクラブは、他と比べて平均年齢が約33歳と若いですね。 先日も、一戸夢ファームから20代前半くらいの卒業生がごそっと入りました。
こういった組織って、初期のメンバーのまま固定されてしまって、なかなか若い人が入りにくい空気ってどうしてもあるじゃないですか。それが、カシオペア4Hクラブの場合は、新しい人が入りやすい空気なのかな。
メンバー個々人の魅力もたぶん大きいなと思いますね。それぞれが触発し合って、どんどん活発化している。 カシオペア4Hクラブには、目に見えない価値がすごくあると思います。
うーん、そうですね…。ここがいいところだって、気付けるか気付けないかだと思うんですよね。いいところなんですよ。人もいいですし…。「食(地元食材)」も、「人(人柄)」も。
都会も面白かったですけど、波にのまれるっていうか…淡々とした日常の流れの中で何かが足りなくなってきたんですよね。 優しさとか…癒しもそうですね。 こっちの人は、なんだろう、人に対して関心がすごくあって、地域のつながりも深くて、それも良い面だと思いました。 最初はすごく嫌だったんですけど、ほんとに、何でこんなに(世間が)狭いのよっていう(笑)二戸を出てから、逆に良い面でもあったんだなっていうのに気付かされましたね。
「食」にも相当恵まれてるんだと思います。東京にいたときと比べると、地元食材で食事がこれだけ成り立つのはすごいことだなって。
「人」については、(自分以外の)「ひと」のことを思って行動するあったかい人が多い気がします。自分よりも「ひと」のことが優先だったり。結び付きの強い地域だと思います。まあ、わるい(短所)っていう言われ方もするんですけど、自分の頑張りだったりを表に出さず、黙々とやる人が多いというか。そういう人に囲まれてるからなんですかね。すごく良いところだと思います。
山や川の自然も、正直気持ちいいですよ。畑仕事してて、すごく心が洗われます。 子どもを育てるっていう意味でも、最っ高ですね。子どもが畑に来て、土とたわむれるじゃないですか。コンクリートよりは土のほうがいいと思うので。のびのびと生活できるので、子どもにとってもすごく良い環境なんじゃないかなって思いますね。
いわてにいる若い人は、一度、県外に出たほうが良いんじゃないかなと思います。そうすれば自分のふるさとに対するミリョクだったり、良さに気づけるんじゃないかなと。 今まで普通だと思っていたことが、普通じゃなくなるので。恵まれていたんだなって、感じられると思います。 いわて以外の人は逆に、こっちに来てもらえれば、良さに気づいてもらえるんじゃないかなって思いますね。
自分はすごく仲間に恵まれていると思うので。すごくみんな精力的で、すばらしい人柄の人ばかり揃っているので、すごく面白いですね。何に対しても。
いつも人に刺激されながら、助けられながら、活動に取り組んでいます。 だから自分も人を刺激できる人になりたいなと。
私たちのように良さに気付いた人たちがそこで生活してくれれば、刺激し合って、今後も(地元が)良くなるんじゃないかなって思います。
私たちも、地元を盛り上げるために、ミリョクを発信するために一生懸命がんばります!
いわてはミリョクが沢山!一緒に地域を盛り上げませんか?
荒谷直大さんの熱いメッセージ受け取っていただけましたでしょうか? 次回もいわてで活躍する方を引き続き取材していきます。 お楽しみに!!
◇「カシオペア4Hクラブ」荒谷直大さんの活動紹介ムービーを公開!
新じゃご太郎ラジオ
http://779.jp/program/jyakotaro_radio/