いわて若者会議2018 いわて若者会議 若者が地域の課題解決を目指して自…
2015.4.27(月)
「いわてびと」めっけ!のコーナーでは、いわてで活躍するいわての若者や団体を紹介していきます!
「めっけ!」は、岩手県など東北地方の方言で「見つけた!」「発見!」という意味です。
第3回は、「建築」をきっかけにいわてを訪れ、幾度となくボランティア活動に参加、
陸前高田市の交流人口の増加を目指し奮闘する久保玲奈さんをめっけ!
東日本大震災があったのが、私が高校二年生の3月でした。だけどその時は高校生だったので、何かしたいと思っても、自由に動けませんでした。
大学ではもともと興味があった、建築学科に入学しました。授業で被災家屋などの写真をみる機会が増えたときに、この壊れた建物を自分の目で見てみたいなと思ったんです。
大学一年生のときに、(東北に)行ける機会を探していたら、3泊4日のツアーを見つけて、ボランティア活動と現地の視察をしました。活動したエリアは、いわての釜石市~宮城県南三陸町でした。
ガレキの撤去や草むしり、あとは、校庭に仮設住宅が建って外で遊べなくなってしまったこどもたちを、内陸のレイクリゾートに招いてピザを焼いたり、遊んだりしました。
(被災家屋等を)見たはいいけど、知識がなくて…。建物の接合部分がどんな接合工法になっていたのか、どういう力がかかって壊れたのかとか、まったくわからなくて。
ただ現地を見て、津波の力ってすごいな…と思うことしかできなかった。写真だけだとわからないので、実際に見られたのは良かったけど…。
すごい高さのガレキの量、木材や絡み合った鉄骨。震災から1年半経ってもまだこんなにあるんだって。
あと印象に残っているのは、釜石の鵜住居(うのすまい)の防災センター。中にいろんなものが残っていて、当時の様子をきかせてもらったりしました。
それらは、解体されてしまい今はもう無いものなので、あのとき見ておいて良かったなと思います。
その時は(被災地に行くのは)1回きりって思っていたけど、そのあとも、何度かボランティアに行ったんです。
「学生の力じゃ何もできない」って(周囲の人に)言われたこともあったけど、そこから、私のボランティア人生が始まりました。
そうです。
被災地に何度か訪れる中で、「また来てね」「若い人が来てくれると本当に心強いんだ」って、地元の人に言ってもらって。そういう現地の人の声もきいていないのに、頭ごなしに否定しなくても…って。なので、見返してやろうと思いました。被災地に何度も行って、成果を積もうって。
大学一年生の夏に参加したツアーを主催していたのが、「TAKE ACTION(テイクアクション)」という、私の通う大学の学生主体の団体でした。その活動報告会に参加したときに、スタッフを募集していたので、やってみようかなと。わりと気軽に参加しました。そこから、ミーティングに参加するようになって。学生だけで一から考えるって本当に大変で、試行錯誤で苦労したけど、企画したツアーの参加人数も第1回の30人から、第2回は50人にまで増えて。参加者から、「またやってほしい」という声をいただき、企画自体も良いものができたと思います。
二年生の秋頃からは、岩手県陸前高田市に拠点を置いている復興支援団体のプロジェクトのひとつ「若興人(わこうど)の家」という活動に、学生ボランティアとして加わりました。
2013年の夏、TAKE ACTION(テイクアクション)の第2回目のツアー内容を濃くするために、事前にチームで東北に入って、現地のいくつかの企業や団体にヒアリング活動をしていたんです。そのヒアリング先で、このプロジェクトを知りました。
東日本大震災を機に陸前高田に学生がボランティアでたくさんやってくるけど、活動する拠点がない、ということで、学生自身で築60年の木造平屋建ての古民家を改修工事して活動拠点をつくろう、という活動です。
建築を学んでいる身として、「古民家を改修する」っていうことにすごく興味をもって、ワクワクして。自分たちで工事できるなんてすごい!と思いました。
それで、TAKE ACTION(テイクアクション)の第2回目のツアーがおわってひと段落した時に、そうだ!と思い立って、若興人の家プロジェクトの担当の方に連絡をとったら、「来月、活動があるけど来る?」って誘っていただいて。
2013年10月から、学生ボランティアリーダーという立場で参加し始めました。
参加しているのが東京の学生なので、東京で多めにミーティングをして、家のレイアウトを決めたり、プロジェクトの軸がぶれないようにして。そこで決定した内容を1か月に1~2回、現地で展開して。その繰り返しを毎月やっています。
これまで関わったボランティアの延べ人数は2013年度で190人、2014年度で354人です。
活動としては、学生の活動拠点をつくる古民家改修のほかに、陸前高田の歴史や文化を調査して収集したり、魅力を発掘して発信して、陸前高田を訪れるリピーターを増やそう、そのうちの何人かでも陸前高田に住みたいと思ってくれるような流れをつくろう、という取り組みもしています。
例えば、地元の人と一緒に陸前高田市内を歩いて魅力を発見する「まちあるき」をしています。地元の人にとっては日常的な風景である「田んぼ」が、田んぼを見たことがない学生にとっては感動的なものだったりして。
陸前高田の人が思う地元のいいところと、都会の学生が感じるミリョクは違うので、お互いに新たな気づきがあるんです。
私は陸前高田以外にも、視察やインターンで、いわてのいろんなところに行きました。沿岸中心ですけど、釜石、大船渡や大槌、遠野とか。それで感じたのが、いわてってでっかくて、地域によってまったく生活が違うということ。気候も違うし、それがすごく楽しくて。
いつも主に行っている陸前高田については詳しくなってきたけど、違う市にいくと全然違う。それが私の中ですごく楽しみというか。次に行く地域には何が待っているんだろう?って。
例えば、沿岸はあまり雪が降らないけど、ちょっと車を走らせて内陸にいくと、もう大雪で。雪の影響で学校も休校になってるとか。同じ県にいると思えなくて。
私を含めて、いわてを訪れる人にとって、そういう楽しみが待っている場所なんじゃないかなと思います。
そうですね。
私は、1年半ずっと陸前高田のまちが徐々に変わっていく様子を見てきて、ずっと見てきたまちだから、できれば今後もこのまちに関わりたいと思っています。それに加えて人と話すのも好きだし、だから地元の人の声をまちづくりに反映させられるような仕事をしたいなと思っていて。どのまちも、住民の声って本当に大事だと思うんですけど、とくに東北の沿岸部はそうだと思うんです。
私みたいに、いろんなまちに触れて、いわてで働いてみたいなって思う人が増えるといいです。
私は海が好きなのもあって、海のほうにいきたいと思うんですけど、逆に雪国を体験したいなっていう人は内陸もアリだし。選べるのが良いですね。
きっかけは何でもいいと思うんです。
私の最初のきっかけは、「建築が見たい」ってことでした。そのあと何回も被災地に行って、身近な人にも被災地を見てほしいっていう思いが生まれて。来てもらうためには自分がまず行って、そしてそこで得た情報や思いを発信することで、誰かが来てくれるんじゃないかと思って活動していました。
今活動に関わっているメンバーも、きっかけはさまざまで、いろんな理由があります。最初は軽い気持ちでも、いわてや活動そのものが好きで好きで、すごく好きになって、こんなつもりじゃなかったのにっていう人もたくさんいて。
私はそういう活動に出会えて、いろんな人に出会えて、刺激をたくさんもらっています。
勉強も忙しいけど、大学生は本当に時間があるなって思うんです。
好きになっちゃえば、(好きなことのために)忙しくてもその時間も惜しくないって思えるんですよね。
動けば、出会いがあるから。
いわてでも、そうじゃなくても、気軽にアクションしてみてください!
自分とは違う価値観の人に出会えるし、視野が広がるから。
なんでもいいから、とにかく友達に誘われたイベントに行ってみるとか、通りで何か面白そうなことやってたらふらっと寄ってみたり、顔を出してみたり。きっかけは何でもいいんです。
もちろん若興人の家への参加も、大歓迎!
学校の勉強だけじゃない生活を、ぜひみなさんにも見つけてほしいなと思います。
動けば、出会いがある!迷わず飛び込もう!
久保玲奈さんの熱いメッセージ受け取っていただけましたでしょうか?
次回もいわてで活躍する方を引き続き取材していきます。
お楽しみに!!
◇「若興人の家」の活動紹介ムービーを公開!
※こちらの動画は「若興人の家」様の許可を得て掲載しています