2020.8.25(火)

今までになかった空間づくり  カフェと託児所のアイディア施設   川島佳輔さん

    

  ライター T.Saito

何か新しいことをはじめている人、何かを発信している人。そういった人の多くは、何かしら自分なりの「哲学」を持っているように思えます。「自分が大切にしたい哲学」を考え、見つけることは新しいことを始めるときの手がかりになるのではないでしょうか「いわてつがく」は、そんな思いのもと、さまざまなフィールドで活躍する人たちの「哲学」を紐解いていく連載です。

川島 佳輔 (かわしま けいすけ)

(株)COKAGE STUDIO 代表取締役 ・グラフィックデザイン

Cafe&Living UCHIDA〉運営    ・カフェと託児所運営

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プロフィール:奥州市水沢出身。高校卒業後就職、3年後退職。1年で40カ国を回るバックパッカーを経験。2010年日本に帰国し盛岡のアパレル企業に就職。ウェブプロモーションや企画を担当。2016年地元・奥州市水沢で起業し、(株)コカゲスタジオ設立。

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ーカフェと託児所の〈Cafe&Living UCHIDA〉をはじめようとしたきっかけ・その魅力。

カフェと託児所が併設した施設をはじめようとしたのは、自分たちが子育てをはじめたときに苦労した経験が一番のきっかけです。26歳ぐらいの時、当時まだまだ、自分たちのためだけに時間を使ってきましたが、子供のために自分の時間を使う生活にがらっと変わってしまい子育てって大変だと思いました。現代は、働き方、暮らし方も多様になってきているので、子育て自体も皆でシェアし合えたらいいなと思い、妻が保育士だったこともあり、子育てに関する事業をしようと考えました。

昔はよくあったような地域のおじいちゃん、おばあちゃんが帰り際に、子供たちに声をかける様子など、町ぐるみで子育てをしている光景が、今あまりないと思いますが、そのような光景がこのお店だと見れるというのは、自分自身が町ぐるみの子育ての一員として関われているのがやりがいです。僕自身は、保育士ではないですが、保育のスタッフは、利用してくれているお母さんたちの生活や子育ての相談事を聞いたりしていて、より豊かに暮らせる環境を少しでも作れていることが仕事のやりがいです。

 

ーいつから起業を意識したのか。

外でいろんな人の働き方をみて、楽しそうに感じた

21歳とか22歳ぐらいの時、楽しく働くっていうことが理想でした。会社員時代の楽しさはもちろんありましたが、自分の思った通りに、いろんなことができる環境を作りたいなと思ったのは、やっぱり25歳、26歳ぐらいの時です。ちょうど子供が生まれて地元に戻ろうと思ったタイミングでした。どこで働くというよりは、自分で何かしてみようと気持ちが固まったのはその頃です。

25歳

お店とか始める人たちは、30歳ぐらいが多いと思います。仕事を一通りして路線変えるっていう人もいると思いますが、僕の場合少し早くて、30歳、40歳以降に戻ってきて、中途半端に楽しくない地元の状態だと、戻ってきてネガティブになってしまうかもしれないと思っていました。他の人より少し早いタイミングの25歳ぐらいに戻り、今よりも良い状態に5年10年かけて、自分で暮らしやすい街を整えて30歳、40歳を迎えたいという思いがありました。何かを起こすという行動は、ほかの人に比べて早かったかもしれません。

ーカフェ運営・経営されている中で苦労していることは。

人と働くというのは、自分の意思だけを通すだけでは、成立しないと思います。合意を得ながら、仕事を進めるというのは結構大変だと思いますが、とても重要なことだと思います。自分ひとりでやれるのは、ある程度のサイズぐらいの仕事で、もっと大きな仕事をしたいなと思った時、誰かと協力してやらなきゃいけない。そうなった時に自分の思いだけだと仕事が全て出来ないっていうのは、フリーランスから法人になってものすごく感じます。

ー川島さんが思う会社の中で気に入っている部分。

いつも変なことしてるなと思っています。(笑)それこそお店作りもちょっと変わった作りです。自分でDIYするとか、古いものを多用するとか、人があまり目を向けてないことに自分たちで気づき輝かせるのが、たぶん僕たちの良さであり強さだと思っていて、カフェと託児所の組み合わせも、だれもやらないようなことにチャレンジできる考え方は、多分僕たちの会社の良さだと思ってます。

一緒に働く仲間のあつめかた。

僕が直接声をかけるって事が最初は多かったです。それこそ今は独立してるんですけど、オープン当初カフェに立っていたスタッフは、京都出身で岩手には縁もゆかりもなかったけど、僕が熱烈なオファーをして京都から岩手に引っ越して来てくれて、創業期の一番大変な時期を支えてくれたというのもありますし、立ち上げのメンバーは直接声をかけて「一緒にやろう!」といった人が多いです。今は地元で採用する場合は、SNSで採用に関する案内を出して、履歴書送ってもらう、そしてメッセージを送ってもらうことが増えてきました。

京都の人とはどのように知り合ったんですか?

創業メンバーがたまたま知り合いで、遊びに連れてきてくれたので、そのタイミングで声をかけました。

今は求人募集はSNSが主流なんですか?

今は保育士不足って言われていますが、結構反応がよくて、募集が2人に対して10人くらいご連絡をいただいていました。

Cafe&Living UCHIDA〉・川島さんのプロモーションが上手ですよね?ある記事に、新しいメンバー募集(求人)「その人と一緒にご飯を食べたいか?」という掲載をみました。

業務的に能力が優れている人よりも、一緒に波長が合う人たちといたほうが、自分が自然体でいれて一緒に仕事したいなと思いました。業務内容給与以外の軸で共感してくれた人が、応募してくれたと思います。まだまだ若い企業なので、あまり常識にとらわれずに会社を作りたいと思ってます。

ーカフェの魅力は。

カフェ全般として、いろんな人やものを繋げるマグネット的な存在だなと思います。お店を通じて色々な人を繋げられたりすることで、新しいコミュニティとか繋がりが生まれたりするのを、目で見て体験できるのはカフェの凄くいいところだと思います。

ー今取り組んでいるもの、これからやってみたいこと。

個人が営んでいる小さな規模のお店が、もっとたくさんあったらいいなと思っています。何かお店をやりたいなっていう人がいたら一緒に空き店舗探してみたり、一緒にできる方法はないかと考えたり、この近辺で模索して、点から面に広げていきたいです。

ーこれから新しいことにチャレンジしたいと考えている人へ。

いわての若者、全国の若者にメッセージを

一番は伝えたいことは繋がりですね。若い人(学生)たちからすると友達だと思います。僕がこのお店作る時に関わってくれた人は、20代を通して繋がった友人とか知人や先輩がすごく多く、そういう人たちが協力してくれて、今のこの空間が作れました。自分のやりたいなと思ったことを、実現する時に後押ししてくれる人は、今まで繋がってきた人以外あまりいないと思うので、学生であれば今一緒にいる友人とか知人とかを大事にすることが、未来に繋がると思います。

Cafe&Living Uchida

住所  岩手県奥州市水沢区東大通り1-5-35

電話番号 0197-47-4158

営業時間 10001700

定休日 月曜、日曜

駐車場 あり(無料4台)

※2020.6月を持って託児所閉園、親子でくつろげる小上がり席としてリニューアル。

投稿:Co.Nex.Us運営